ド貧困から起業へ〜奇跡のV字復活ストーリー〜【第5話】
人生最大のドン底へ
やっぱり人生は金が全てだ…
それからしばらくたち、僕は新しい彼女ができました。
その彼女は本当に僕のことを心から愛してくれた子で、僕も今までで一番愛した女の子でした。
本当にラブラブで、いっつも一緒にいました。僕はこの子と結婚するんだなぁ、くらいに思えるほど愛していました。
そして僕は、そんな彼女に対し、めちゃくちゃお金を使っていました。当時はバイトをして月10万は切らなかったので、使える分は全て彼女とのデート代に使っていました。
ただ、その子は金遣いが荒かったんです。
なぜなら、ご両親からお小遣いをもらいまくって、自分の好きなものは何でも買いなさい、という家庭だったから。
んで、僕はその金遣いの荒さがいちいち気になっていました。正直、僕はその子の金を使うペースについていけないと感じていました。
そして僕はまたしても妬み、その子にいってしまったんです。
「お前、何でもかんでも買ってもらえると思うなよ?」と。
それが僕のどん底人生の始まりでした…。
パチンコで人生終了の笛がなる
でも、その子はとてもいい子で、僕がそんなことを言っても「うん、ごめんね!」と言える子でした。
そんな彼女のことが大好きで、僕はこの子のためなら何でもできる!と思っていました。
そして一秒でも多く彼女の笑顔が見たくて、バイトを必死で頑張り、稼ぎ、彼女のために尽くしました。
でも、自分の生活と学費を考えると、やっぱりお金が足らなかったんです。で、その時ちょうどクリスマスの時期でしたので、プレゼントを買いたいと考えていました。でもお金が足りないので、何も買えません…。
その時、僕は20歳の年で、成人式も迎えようとしていました。そんな時に母と祖父母が、成人式に着ていくスーツやシャツを買うためにと、僕に2万円をくれたんです。
僕はその時こう考えました。
「パチンコでこの2万円を増やして、彼女のクリスマスプレゼントを買って、んで俺のスーツももっといいやつを買おう!」
このパチンコで増やす、という決断が、のちに僕の人生を崩壊の一途へ向かわせるのでした…。
そして僕はその2万円を握りしめ、マルハンに行き、パチンコを打ち始めました。
最初の1000円が終わり、また追加で1000円を投資。あっという間に1万円がなくなりました。
「いやいや、まだ1万円あるから大丈夫っしょ!」
そう思ってパチンコを打ち続けました。
そして残り1000円になり、僕は焦りました。
「ヤバい…このままだと何もかもが終わる…」
そう考えると、心臓のバクバクが抑えきれませんでした。
そして残り500円。激アツのリーチがやってきました。
「よっしゃきた!!!」
そしてリーチも終盤に差し掛かり、僕は最後のボタンを押すのにスタンばっていました。
その間、心臓はバックバク。マジで吐きそうでした。
そして、
「ボタンを押せーーー!!!」
の指示が出て、僕は右手をそのボタンに叩きつけました。
結果はハズレ…
気づいた時には、僕はパチンコ台に本気の右ストレートをかましていました。
そして
「人生終わった…」と思いました…。
ただ、そのままでは終われません。なぜなら彼女へのプレゼントも買えないし、母と祖父母からもらった大切な2万円をドブに捨ててしまったからです。
ここで僕はやってはいけない行動に出てしまうのでした。
僕は頑張ってバイトをして溜めていた、学費を払うためのお金をコンビニでおろしてしまい、またパチンコ屋に行ってしまったのです。
そして、そこから何日かに渡り、パチンコに明け暮れました。授業もサボって。
その結果は、3日で12万円負け…。
もはや怒りすら湧いてきませんでした。
ただただ、頑張って溜めたバイト代の12万円が無くなった喪失感を味わうだけでした。
駐車場に戻り、車の中で泣きました。
自分のクズっぷりにもうどうしようもない怒りが込み上がり、ガラスに頭をボンボン叩きつけ、
「俺はなんてクズなんだ…」と、自分を痛めつけることしかできません。
そして何より、僕のことを必死で育ててくれて、超貧乏なのに大学まで行かせてくれた母のことを考えると、もう涙が次から次に出てきて止まりませんでした。
佐山の人生最大の後悔
そうして僕は一気にどん底に落とされ、常に下を向き、死ぬほどネガティブになってしまいました。
彼女が僕のことを心配してくれて「どうしたの?元気ないね?」と声を掛けてくれても、「いや別に…」とそれ以上何も言えませんでした。
そんなどうしようもないクズな僕を、彼女は大切にしてくれていたにも関わらず、余裕のない僕は彼女に対してかなり冷たくしてしまいました。
で、お金がないのでバイトをするしかなく、パチンコで負けた金額を埋めようと一心不乱で働き続けました。その間、彼女ともまともに合わず、連絡もせずにいました。
そしてしばらくたち、久しぶりに彼女にLINEを入れました。
そして着信音が鳴り、iPhoneの待受を見ると、心臓を鷲掴みにされたような感覚に陥りました。
彼女の返信内容とは
「もう無理、完全に冷めた。別れてほしい。」と…。
僕はもはや理由や、引き止める気力もなく
「わかった、今までありがとう。」
それだけ言って別れました…。
そして、僕は怒り狂いました。
「あの女がいたから、俺はプレゼントを買わないといけないと思って、母ちゃんからもらった大切な金と、俺が頑張って貯めた金でパチンコをやるしかなかったんだ…!」
「あの女と付き合わなければ、俺は金を無くさずに済んだんだ…!」
「なのにあの女は俺を裏切りやがった。全部あの女のせいだ…」
この時、僕は怒りをぶつける相手を完全に間違えていました。
自分のせいでお金を無くし、自分のせいで貧乏になっていることを認められず、全て彼女のせいにしていたんです。
僕は本当に弱い人間でした…。
その後から僕はどんどんお金に執着していき、月に2日ほどしか休みを入れずに懺悔のごとくバイトに明け暮れました。
朝9時から夜の6時まで工場の派遣をやり、夜9時から深夜2時までファミレスでバイト。そんな毎日を送り続け、身も心もボロボロになっていきました。ただ、使ってはいけない奨学金を12万円もスってしまったこと、母のことを思うとそうせざるを得ませんでした。
そして後日、衝撃の事実が発覚したのです。
それは別れた彼女と僕との共通の友達から聞かされました。
彼女は僕の友達に
「私のためにたくさんバイトをやったり派遣をやったりパチンコに行ったり、私のせいで〇〇(僕の名前)を苦しませてしまった。私のせいでそうやってドンドン卑屈になっていく〇〇(僕の名前)を、私はもう見ていられない。別れてあげるべきなのかなぁ…。」
と相談してきたことを、友達から聞かされ僕は知ってしまったのです。
彼女は僕がパチンコに行っていることも、パチンコに行っている理由も、僕が死ぬほどバイトをやっていることも、全てお見通しだったのです。
僕は何にもわかっていませんでした。
彼女も僕と同じくらいに苦しんでいたんです。
そうとも知らず、僕はあんなにひどいことを考え、しかもそれをその友達に愚痴っていたんです。
僕はマジで死にたくなりました。
家に帰り、部屋にこもり、泣きじゃくりました。
「俺はクソ野郎だ。マジでクソ野郎だ、俺は何にもわかってなかった。ごめん…。」
「俺は死んだほうがいい人間なんだ…」
そう思うしかありませんでした。
この経験は今でもたまに思い出し、正直トラウマになってしまったほどです。
僕の人生で最大の後悔です。
そして最後に思ったことがあります。
それは
「金があれば、俺はこんなに苦しまずに済んだんじゃないか…?」
「金があれば俺は彼女のことを幸せにすることができて、俺も卑屈にならずに済んだんじゃないか?」
「そうだ、そうに決まっている…」
そう考えました。
僕の人生は完全にお金に支配されていることに気づきました。
お金が無いことでこんなに悩み、苦しめられる。
「結局世の中金じゃねぇか…」
僕はそう確信してしまったんです。
「金がなければ人を幸せになんてできない…」「金が全てだ…」
「金がない俺は人を愛する資格なんてないんだ…」
そう考え、お金のせいで、僕の中から「心から人を愛する」という概念が消え去っていきました…。
第6話へ続く
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